~「なんとなく気分が落ち込む」に理由があります~
はじめに
秋になると「気分が不安定になる」「朝起きるのがつらい」「やる気が出ない」といった声が多く聞かれるようになります。
その背景には、気温や日照時間の変化だけでなく、「気圧の変動」が大きく関係していることをご存じでしょうか?
気圧の変化は、体だけでなく心にも影響を及ぼします。特に精神疾患をお持ちの方は、気分の波や体調不良が気圧と連動しているケースも少なくありません。
この記事では、秋に起こりやすい気圧変動と気分の関係、そしてその対策とケアのポイントについてご紹介します。
秋の気圧変化がもたらす“心の揺れ”
1. 秋は低気圧が増える季節
- 秋は台風や秋雨前線などの影響で気圧が大きく変化しやすい季節です。
- 一日の中でも気圧が上下することがあり、これが自律神経のバランスを乱す原因になります。
2. 気圧が心に与える影響とは?
- 気圧が下がると、副交感神経が優位になりすぎて眠気やだるさ、頭重感が強くなる傾向があります。
- 交感神経がうまく働かなくなることで、やる気の低下・抑うつ感・不安感が現れやすくなります。
3. 精神疾患を持つ方は特に影響を受けやすい
- うつ病:気圧の低下とともに気分の落ち込みが強くなる
- 不安障害:予期せぬ体調不良がさらなる不安を引き起こす
- 双極性障害:気分の波が大きくなりやすい
- 統合失調症:気圧変化による自律神経の乱れで症状が悪化する場合も
気圧変動に負けないためのセルフケアと支援の工夫
1. 「気圧による不調」を知っておくことが第一歩
- 「気分が落ちるのは天気のせいかも」と意識するだけでも、必要以上に自分を責めない気持ちが生まれる
- アプリ(気圧予報など)を活用し、「今日は無理をしない日」と決めるのも一つの工夫
2. 自律神経を整える生活習慣を意識
- 規則正しい生活(起床・就寝・食事・服薬の時間を一定に)
- 朝の光を浴びてリズムを整える(曇りの日でもカーテンを開ける)
- 適度な運動(ウォーキング、ストレッチなど)で気分を安定させる
- 湯船に浸かる、腹式呼吸をするなど、リラックスできる時間を意識的に確保する
3. 訪問看護でできる支援
- ご本人の気分や体調の変化を天気や気圧と照らし合わせて共有
- 気圧の変化が続く時期には、「無理しない」「頑張りすぎない」ことを肯定する声かけを
- 生活リズムの乱れが出ていないか、日誌やスケジュール表の活用で可視化する
- 必要があれば、主治医に症状の季節変動を報告し、治療や服薬の見直しも検討
ご家族や支援者にも知ってほしいこと
- 気圧や天候が精神状態に影響することは甘えや気のせいではありません
- 「また気分が落ち込んでいる…」ではなく、「今日は気圧が下がっているから無理しないでね」と声をかけるだけでも違います
まとめ
秋は気温・日照・気圧と、心と体に影響を与える要素が一度に訪れる季節です。
気圧の変動によって気分が乱れるのは誰にでも起こりうる自然な反応です。
だからこそ、日々の小さな体調変化や心のサインに気づき、自分をいたわる時間と環境を整えることが大切です。
訪問看護ステーションharu style・グループホームなつでは、その方のリズムに寄り添いながら、「安心して秋を過ごす」ためのサポートを続けていきたいと考えています。
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