~感染予防は、心の安定にもつながります~
はじめに
毎年秋から冬にかけて流行する「インフルエンザ」。
高熱や倦怠感など身体的な症状が中心の感染症として知られていますが、精神疾患を持つ方にとっては、心身両面に影響を及ぼすリスクがあるため、特に注意が必要です。
この記事では、精神疾患をお持ちの方やそのご家族、支援者に向けて、インフルエンザワクチンの重要性と接種時の注意点を解説します。
なぜ精神疾患を持つ方にとって、インフルエンザの予防が重要なのか?
1. 感染による体調悪化が精神状態にも影響
- インフルエンザにかかると、高熱・倦怠感・脱水・睡眠障害などが生じやすく、
それが引き金となって、気分の落ち込み・不安・幻覚・妄想の再燃を招くケースも少なくありません。
2. 環境の変化に弱い方が多い
- 入院や隔離、服薬スケジュールの変更といった生活リズムの乱れが、症状の悪化や再発を引き起こすリスクに。
3. 基礎疾患を抱えているケースも
- 精神疾患と併せて、糖尿病・高血圧・肥満・生活習慣病などを抱えている方は、重症化しやすいハイリスク群に該当する場合があります。
インフルエンザワクチン接種のメリット
- 発症リスクの軽減(約60%前後)
- 重症化や入院の予防(とくに高齢者・基礎疾患のある方に有効)
- 感染拡大の抑制(家庭内や施設内でのクラスター防止)
- 安心感による精神的安定
「感染しないこと」だけでなく、感染したとしても重くならないための対策として、ワクチン接種は非常に重要な意味を持ちます。
接種にあたっての注意点と対応策
1. ワクチンに対する不安・抵抗感への配慮
- 注射に対する恐怖や、医療機関への苦手意識がある方には、
「できるだけ短時間で済ませる」「付き添いで安心感を与える」「事前に流れを説明する」などの工夫を。
2. 副反応への備えと説明
- 発熱・注射部位の腫れ・だるさなどの軽い副反応が出ることがあります。
- あらかじめ「翌日は少し体がだるくなるかもしれませんが、数日で落ち着きます」と伝えておくことで不安を軽減できます。
3. 接種スケジュールの調整
- 他の注射や治療スケジュールとの兼ね合いに注意。
- 精神科主治医と相談のうえ、接種日や時間帯、体調を考慮したプランを立てることが重要です。
訪問看護でできるサポート
- ワクチンの案内・日程調整・医師との連携サポート
- ご本人への説明支援(リーフレットや口頭でのフォロー)
- ご家族への「接種を勧める意義」の共有
- 接種後の体調確認と副反応の観察、必要時の医療連携
ご家族・支援者の皆さまへ
ご本人がワクチン接種に対して不安や抵抗を感じる場合、無理に勧めるのではなく、
「あなたの体調が悪くなってしまうと、周りもとても心配なんですよ」
「元気に過ごすために、できる対策をしていきましょうね」
といった共感ベースの声かけが有効です。
また、ご家族や支援者ご自身も接種しておくことで、感染リスクの低減と安心感の共有につながります。
まとめ
インフルエンザワクチンは、精神的な安定と生活の継続を守るための大切な予防策のひとつです。
訪問看護の中でも、「接種をする・しない」の判断だけでなく、不安の軽減、情報提供、環境調整などの包括的な支援が求められます。
ひとりでも多くの方が、安心して秋冬を過ごせるように
小さな声にも耳を傾けながら、予防の一歩を一緒に踏み出していきましょう。
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