~ひとりじゃないと感じられるケアを~
はじめに
年末年始は、家族団らんやにぎやかな行事が多く、一般的には“あたたかな季節”というイメージがある一方で、
ひとり暮らしの方、家族とのつながりが希薄な方、精神的な不調を抱えている方にとっては、孤独や不安が深まりやすい時期でもあります。
この記事では、年末年始に感じやすい孤独感の背景と、訪問看護が果たす役割・できる支援についてご紹介します。
なぜ年末年始に「孤独感」が強まりやすいのか?
● 周囲のにぎやかさとのギャップ
- テレビやSNSで目にする「家族で過ごす」「帰省」「初詣」といったシーン
- 自分との状況の違いにより、さみしさ・置いていかれたような感覚が強まることがあります
● 通所施設や相談機関の休業
- 普段通っている支援施設やデイサービスが休みになることで、交流の場が一時的に消失
- 「誰にも会わない日が続く」ことで、自分の存在が希薄になったような感覚に陥ることも
● 寒さ・生活の変化・過去の記憶
- 寒さによる外出の減少や、年末年始特有の“区切り”の空気が、過去のつらい出来事を思い出させることもあります
訪問看護ができる5つの支援
1. 変わらない関わりを続けること
- 年末年始も、可能な範囲での訪問を継続することで、
「誰かが気にかけてくれている」「いつも通り」が、安心感と安定につながります
2. 「気づき」の声かけを意識する
- 「今日はあったかくして過ごせましたか?」
- 「テレビで紅白やってましたね。ご覧になりました?」など、
さりげない対話から感情を汲み取り、孤立感の兆しに気づくことができます
3. つながりの見える化をサポートする
- カレンダーに訪問日や家族との予定を書く
- 誰かからの年賀状やメッセージを飾る
- 「誰かとつながっている」ことを視覚化する工夫が効果的です
4. 趣味や楽しみの小さなきっかけ作り
- 折り紙やぬり絵、テレビ体操など、自宅でできる簡単な活動を紹介
- お正月の食事や飾りに興味を向ける話題を提供し、日常の延長としての年末年始を感じてもらう工夫も◎
5. 緊急対応の案内・安心材料の提供
- 「夜中でもつらくなったら電話していいんですよ」といった
支援の使えるタイミングを明確にする声かけが不安の軽減につながります
ご家族・関係者と連携してできること
- 「年末年始、どんな過ごし方が不安か」「誰と、どのように過ごすと安心できるか」
を事前に共有し、支援者全体で孤立を防ぐ計画を立てる - 「1月〇日にまたお会いしましょうね」と次の見通しを伝えておくのも効果的です
まとめ
年末年始は、楽しい行事がある一方で、孤独感や疎外感が深まりやすい時期でもあります。
だからこそ、訪問看護という生活に寄り添う支援が、その人のこころにそっと灯をともす存在になり得ます。
「あなたのことを気にかけている人が、ここにいます」
その思いを届けられるよう、日々の関わりを丁寧に積み重ねていきましょう。
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