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物価高・生活不安がメンタルに与える影響と在宅支援の役割

~こころを守る生活支援というかたち~

はじめに

最近、「物価が高くて生活が苦しい」「節約ばかりで疲れてしまう」――そんな声を、利用者さまやご家族から聞く機会が増えました。

食品・光熱費・日用品…日々の生活を支えるさまざまなものが値上がりを続ける中で、生活そのものが“心の負担”になっている現実があります。

今回は、物価高や生活不安がメンタルに与える影響、そしてそのような状況のなかで訪問看護ができる支援の役割について考えてみたいと思います。

物価高がこころに与える影響

「我慢の積み重ね」はストレスに

  • 食事内容を減らす・好きなものを控える
  • 外出を控える・エアコン使用を我慢する
  • 買い物時の値段チェックの繰り返し

こうした日々の我慢が重なり、「楽しみがない」「心の余裕がない」と感じる方も多くいらっしゃいます。

将来への不安が気分を沈ませる

  • 「この先もっと厳しくなるのでは」
  • 「生活保護や支援制度を使うことに抵抗がある」
  • 「迷惑をかけたくない」と一人で抱え込んでしまう

経済的な不安は、気分の落ち込みや不安感、孤立感を引き起こす大きな要因となります。

在宅支援としての訪問看護の役割

日常の不安に“耳を傾ける”ことから

訪問看護では、身体や精神状態の観察だけでなく、生活の中で感じる悩みや困りごとについても丁寧に耳を傾けています。

「こんなこと言っても仕方ないと思っていたけど、話せて少し楽になった」と感じていただけるような、安心して気持ちを出せる場を提供することが、私たちの大切な役割の一つです。

必要な制度や支援につなぐ“きっかけ”に

  • 自治体の助成制度(例:福祉用具・生活支援・医療費控除など)
  • 社会福祉協議会の貸付制度
  • ケアマネジャー・ケースワーカーとの連携

ご本人が「知らない」「相談しにくい」と感じる支援制度についても、訪問時の会話から気づき、必要に応じて情報提供や関係機関との橋渡しを行います。

小さな選択肢を“生活の再構築”へつなげる

  • 節電しながらも快適に過ごせる環境の工夫
  • 無理のない献立や買い物方法の相談
  • ストレスを和らげるセルフケアや気分転換の提案

訪問看護師は医療職ではありますが、「暮らし」に寄り添い、「心の持ち方」に働きかける存在でもあります。

支援者・ご家族にできること

  • 「がんばってるね」「一緒に考えてみようか」と、評価や指導ではなく共感の言葉を意識する
  • 「これ使ってる?」ではなく「こういう制度もあるみたいだよ」と、提案として伝える
  • 本人が言葉にしづらい経済的な不安を、否定せずに受け止める姿勢が大切です

まとめ

物価高や生活不安は、目に見える問題だけでなく、心に静かに影響を及ぼす“社会的ストレス”です。

在宅で療養される方にとっては、なおさら小さな変化が大きな影響につながりやすいため、医療・介護の枠を超えた“寄り添い”が求められています

haru styleでは、ただ病状を見守るのではなく、「生活そのものを守る支援者」としての視点を持ち、利用者さまの安心と尊厳を支えるお手伝いを今後も続けてまいります。

ご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に“今できること”を探していきましょう。

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