冬の孤立感と訪問看護

〜つながりが、こころの温もりになる〜

寒さとともに深まる「こころの孤立感」

冬は日照時間が短くなり、気温も下がることで、どうしても外出の機会が減ってしまいがちです。
人と会う機会が減ることで、話すことのない日々が続いたり、心の中の思いを誰にも伝えられないまま過ごす時間が増えてしまう方もいらっしゃいます。

こうした「孤立感」は、特に精神的な不調がある方にとって、
不安感や抑うつ感の悪化、生活意欲の低下といった影響を及ぼしやすいといわれています。

「誰かとつながっている感覚」がこころを支える

孤立を完全に解消することは難しくても、
「誰かが自分を気にかけてくれている」
「話を聞いてくれる人がいる」
という感覚は、心の健康を保つうえでとても大切な支えになります。

訪問看護では、この「つながりの感覚」を丁寧に育むことを大切にしています。

訪問看護でできること

会話は「特別な話題」でなくてもいい

  • 今日の天気のこと
  • 最近見たテレビの話
  • 昔の思い出
  • ちょっとした愚痴やつぶやき

こうした日常の何気ない会話が、孤独を和らげる大切な時間になります。
訪問看護では、「話すことが思いつかない日」があっても大丈夫です。
沈黙も、うなずきも、その人のペースに合わせて寄り添う関係を大切にしています。

孤立による変化にも気づき、寄り添う

冬の時期に増える孤立感は、行動や表情の変化として現れることもあります。

  • 食事の量が減る
  • 睡眠時間が不規則になる
  • 訪問時に会話が少なくなる
  • 身だしなみが乱れがちになる

これらは“心のサイン”として現れている可能性があります。
訪問看護では、こうした小さな変化に気づき、
必要に応じて医療機関や関係者との連携をとりながら、早めの対応ができるよう支援しています。

「孤立しないために」よりも、「ひとりでも安心できる」支援へ

人との関わりが苦手な方や、あえて一人で過ごすことを望む方もいます。
そういった方に無理に「人と会うこと」をすすめるのではなく、
“孤独”と“孤立”は違うことを前提に、その方に合ったかかわり方を大切にしています。

  • 定期的な訪問が「誰かが来てくれる安心」になる
  • 短い時間でも関わりを続けることで信頼が積み重なる
  • たとえ会話が少なくても「自分を見守ってくれる人がいる」という感覚が支えになる

こころの冬にも、ぬくもりを

冬の寒さは、身体だけでなくこころにも影響を与えます。
けれど、誰かとの小さなつながりが、心に灯りをともすこともあります。

訪問看護では、

  • 会いに行くこと
  • 話を聴くこと
  • 日常の変化を一緒に見守ること
    その一つひとつが、利用者さまの「安心」と「つながり」につながるよう支援を行っています。

冬の季節を少しでも安心して過ごせるように、気になることがあればぜひharu style までご相談ください。
小さなことでも大丈夫です。あなたの声を、私たちはお待ちしています。

確定申告シーズンの不安

〜「全部やらなきゃ」にとらわれないために〜

はじめに

年が明け、2月から3月にかけて始まる「確定申告」の季節。
この時期になると、書類の準備や手続き、期限へのプレッシャーなど、さまざまなストレスを感じる方が多くなります。

特に、精神的な不調を抱えている方にとっては、
「手続きの負担が大きすぎる」「何から手をつけていいのかわからない」と感じやすいタイミングでもあります。

今回は、確定申告がもたらす不安と、それに対して訪問看護でできる支援についてご紹介します。

「申告しなきゃ…でも動けない」その気持ちは自然なことです

確定申告にまつわる悩みには、以下のようなものがあります。

  • 書類が多くて、何をどうすればいいのかわからない
  • 専門用語が難しく、読んでいるだけで疲れてしまう
  • 人に頼るのが申し訳なくて、全部ひとりで抱えてしまう
  • 「期限がある」と思うだけで、焦りや不安が強まる

これらは決して“だらしない”のではなく、心が過負荷状態にあるサインでもあります。
焦って無理をすると、かえって体調を崩したり、気持ちがさらに落ち込むこともあるため、丁寧な関わりとサポートが重要です。

訪問看護でできるサポートとは?

精神科訪問看護では、確定申告そのものを代行することはできませんが、手続きを進めるための“こころの準備”を支援することができます。

「やらなければ」の気持ちを一緒に整理

「全部やらなきゃ」と思うと、行動に移すこと自体が困難になります。
訪問時には、まずその気持ちを言葉にしてもらうことからスタートします。

例:「不安です」「逃げたいです」「何から手をつけていいかわかりません」

言葉にするだけでも、少し気持ちが軽くなることがあります。

“小さなステップ”に分けて考える

いきなり全体をやろうとせず、ひとつずつ段階を踏むよう提案します。

  • まずは必要な書類を探すだけ
  • 税務署や市役所に電話するのを一緒に計画する
  • 支援機関と連携する準備をする

一歩ずつ進めることで、「やればできるかもしれない」という感覚が生まれてきます。

「頼ること」も大事な選択肢です

  • 税務署の相談窓口を活用する
  • 地域の支援制度を確認する
  • ご家族や支援者と一緒に計画を立てる

私たち訪問看護は、「誰かに頼っていい」と思える気持ちづくりも大切にしています。
助けを借りることは、弱さではなく“自分の心を守る力”です。

できる範囲で、少しずつ

確定申告は、体調や心の状態が万全なときでも、複雑でわかりにくいものです。
だからこそ、「不安を感じるのは当然」と受け止め、無理をしすぎず進めていくことが大切です。

  • 不安を感じたときは、まず「その気持ちがあること」に気づくこと
  • 「全部一人でやらなきゃ」から「少しずつでいい」「誰かに相談してもいい」へ
  • “できたこと”を一緒に確認し、前に進む力に変える支援を

訪問看護は、そうした心の整理や気持ちの支えを、一緒に考え、共に歩む存在でありたいと考えています。

ご相談がある方は、haru style までご連絡ください。
どんな小さな不安でも、言葉にできた瞬間から、整理と回復が始まります。

穏やかに春を迎える準備を、一緒に進めていきましょう。

節分とこころのリスタート

〜小さな行事がくれる、“切り替え”のきっかけ〜

節分は「こころの季節の変わり目」

2月の節分は、「鬼は外、福は内」の掛け声や豆まきで知られる、日本の伝統行事です。
暦の上では季節の分かれ目=“新しいはじまり”とされ、古くから「心身の厄を払い、福を呼び込む日」とされてきました。

こうした年中行事は、「行わなければならないもの」と思われがちですが、精神科訪問看護ではそのような押しつけは行いません。
無理に参加する必要はありませんし、行事が苦手な方には無理強いはしません。

それでも、季節を感じる“きっかけ”として、ささやかに取り入れることが心のリズムを整えるヒントになることもあります。

「行事」は苦手でも、“季節”を感じることが大切

精神的な不調があると、毎日が同じように過ぎていく感覚や、季節の変化に気づけない感覚を持つことがあります。
そんな中で、節分のような小さな行事が、

  • 「あ、もうすぐ春なんだな」
  • 「今年も節分がきたな」

と、時間の流れや自分の生活に“区切り”を感じるきっかけになることがあります。

たとえば、

  • 豆を少し食べる
  • 節分の話題を少しだけ話す
  • カレンダーの2月に丸をつける

そんなさりげない工夫が、「今ここを生きている実感」につながることもあるのです。

訪問看護の現場での取り入れ方

私たちharu styleの訪問看護では、行事を一律にすすめることはしません。
その方のご様子や関心に合わせて、ほんの少しだけ“季節の空気”を共有するように心がけています。

こんな支援をしています

  • 「昔は節分に豆まきされていましたか?」と会話のきっかけに
  • 節分にちなんだぬり絵やイラストを一緒に眺めてみる
  • 無理なく話題に出す程度で、「やってみたい」と思ったら一緒に取り組む

それぞれの利用者さんに合った距離感で、「季節と自分」をやさしくつなぐ時間をつくっています。

節分は「気持ちの切り替え」のチャンスでもある

生活の中で、心にモヤモヤがたまっているとき、
「何かを区切りたい」「仕切り直したい」と思うことはありませんか?

節分はまさに、“こころのリスタート”にもなる行事です。
何か特別なことをしなくても、

  • 「気持ちを少し切り替えてみよう」
  • 「一度、立ち止まってみよう」

そんなささやかな意識の変化を促すきっかけになるかもしれません。

「その人に合った」関わり方が一番大切

行事やイベントは、人によって「楽しみ」にもなれば「ストレス」にもなり得ます。
大切なのは、その方にとって心地よい距離感で関わること。
そして、無理なく「今」を感じられるような、やさしい“つながり”をつくることです。

節分だからといって何かをしなければならないわけではありません。
けれど、「節分ですね」と声をかけてもらえることが、
“誰かに見守られている”という安心感につながることもあるのです。

これからも、 haru style では、
利用者さま一人ひとりに寄り添った季節のかかわりを大切にしてまいります。

節分をきっかけに、少しだけ「こころのリズム」を整えるお手伝いができれば幸いです。