節分とこころのリスタート

〜小さな行事がくれる、“切り替え”のきっかけ〜

節分は「こころの季節の変わり目」

2月の節分は、「鬼は外、福は内」の掛け声や豆まきで知られる、日本の伝統行事です。
暦の上では季節の分かれ目=“新しいはじまり”とされ、古くから「心身の厄を払い、福を呼び込む日」とされてきました。

こうした年中行事は、「行わなければならないもの」と思われがちですが、精神科訪問看護ではそのような押しつけは行いません。
無理に参加する必要はありませんし、行事が苦手な方には無理強いはしません。

それでも、季節を感じる“きっかけ”として、ささやかに取り入れることが心のリズムを整えるヒントになることもあります。

「行事」は苦手でも、“季節”を感じることが大切

精神的な不調があると、毎日が同じように過ぎていく感覚や、季節の変化に気づけない感覚を持つことがあります。
そんな中で、節分のような小さな行事が、

  • 「あ、もうすぐ春なんだな」
  • 「今年も節分がきたな」

と、時間の流れや自分の生活に“区切り”を感じるきっかけになることがあります。

たとえば、

  • 豆を少し食べる
  • 節分の話題を少しだけ話す
  • カレンダーの2月に丸をつける

そんなさりげない工夫が、「今ここを生きている実感」につながることもあるのです。

訪問看護の現場での取り入れ方

私たちharu styleの訪問看護では、行事を一律にすすめることはしません。
その方のご様子や関心に合わせて、ほんの少しだけ“季節の空気”を共有するように心がけています。

こんな支援をしています

  • 「昔は節分に豆まきされていましたか?」と会話のきっかけに
  • 節分にちなんだぬり絵やイラストを一緒に眺めてみる
  • 無理なく話題に出す程度で、「やってみたい」と思ったら一緒に取り組む

それぞれの利用者さんに合った距離感で、「季節と自分」をやさしくつなぐ時間をつくっています。

節分は「気持ちの切り替え」のチャンスでもある

生活の中で、心にモヤモヤがたまっているとき、
「何かを区切りたい」「仕切り直したい」と思うことはありませんか?

節分はまさに、“こころのリスタート”にもなる行事です。
何か特別なことをしなくても、

  • 「気持ちを少し切り替えてみよう」
  • 「一度、立ち止まってみよう」

そんなささやかな意識の変化を促すきっかけになるかもしれません。

「その人に合った」関わり方が一番大切

行事やイベントは、人によって「楽しみ」にもなれば「ストレス」にもなり得ます。
大切なのは、その方にとって心地よい距離感で関わること。
そして、無理なく「今」を感じられるような、やさしい“つながり”をつくることです。

節分だからといって何かをしなければならないわけではありません。
けれど、「節分ですね」と声をかけてもらえることが、
“誰かに見守られている”という安心感につながることもあるのです。

これからも、 haru style では、
利用者さま一人ひとりに寄り添った季節のかかわりを大切にしてまいります。

節分をきっかけに、少しだけ「こころのリズム」を整えるお手伝いができれば幸いです。

「支援されることがつらい」気持ちに寄り添う訪問看護

~“助けてもらうこと”に、ためらいがあるとき~

はじめに

「助けてもらっているのに、素直に受け取れない」
「支援を受けている自分が、情けなく感じてしまう」

訪問看護の現場では、このような“支援されることがつらい”という気持ちに出会うことがあります。
それは、感謝がないのではなく、心のどこかで自分を責めてしまう気持ちや、
“支援=弱さ”という社会的なイメージが重なって生まれる、複雑な感情なのかもしれません。

今回は、支援を受けることに戸惑いや抵抗を感じている方に向けて、
訪問看護の視点からその気持ちにどう寄り添っているかをご紹介します。

なぜ「支援されることがつらい」と感じるのか

自立心の強さゆえの葛藤

  • 「人に頼らず自分で何とかしたい」
  • 「迷惑をかけたくない」
  • 「こんな自分は恥ずかしい」

こうした思いがある方ほど、支援を受けることが“敗北”や“依存”のように感じられてしまうことがあります。

過去の経験が影響していることも

  • 以前、助けを求めて断られた
  • 支援者との関係がうまくいかなかった
  • 家族や社会から“自立”を強く求められてきた

このような背景から、「助けてもらうこと=弱さ」「頼ってはいけない」という思い込みが心に残っている場合もあります。

訪問看護では、こんなふうに寄り添っています

無理に“感謝”や“前向きさ”を求めません

「ありがたいと思わなきゃ」
「元気に振る舞わなきゃ」
――そうしたプレッシャーを感じる必要はありません。

看護師は、“そのままの気持ち”を言葉にしてもらえることを大切にしています。

たとえば、
「なんでこんなふうに人に頼ってるんだろう」
「今日は来てもらってもしんどいかも」
そんな本音も、安心して話していただける関係を築いていきます。

小さな“自分でできた”を一緒に見つけます

  • 洗顔ができた
  • 少しだけ部屋を片づけた
  • 看護師に自分の状態を話せた

支援の中での小さな“自立の芽”を、評価ではなく「一緒に喜ぶ」ことが、
自尊心を取り戻すきっかけになります。

支援されること=「自分を大切にする選択」

訪問看護では、
支援を受けることを“自分らしく生きるための力”ととらえ直す視点を大切にしています。

誰かの助けを借りることは、「甘え」ではありません。
今を生きるための“手段”であり、“選択”なのです。

ご家族・周囲の支援者の方へ

支援を拒否するような言動があっても、それは“頼りたくない”のではなく、“どう頼ればいいかわからない”というサインかもしれません。

  • 「助けてもらうのも、力のひとつだよ」
  • 「自分のペースでいいよ」

そんな言葉が、安心して支援を受け入れる第一歩になります。

支援は「支えられる」だけでなく、「共に考える」こと

訪問看護は、ただ何かを“してあげる”のではなく、
その人が望む生活に向けて、一緒に立ち止まり、一緒に考える支援です。

「支援を受けるのがつらい」
――そんな気持ちも含めて、一緒に受け止めていくことが、私たちの大切な役割です。

どうか、無理にがんばりすぎず、
“頼ること”も、回復の大切な一部だということを、ゆっくり感じていただければと思います。

ご相談やご不安がありましたら、haru style までご連絡ください。
心のペースに合わせた、あたたかい支援をお届けいたします。

訪問看護開始直後に不安が強くなる理由とその乗り越え方

~「慣れるまで時間がかかる」ことは、自然なこと~

はじめに

訪問看護を開始したばかりの頃、「来てもらえて安心…と思っていたのに、なんだか不安が強くなってきた」「看護師さんに会う前に緊張してしまう」といった声が聞かれることがあります。

それは、決して特別なことではありません。
訪問看護の利用開始は、日常生活に“変化”が加わるタイミング。その変化に心が反応するのは、とても自然なことです。

今回は、訪問看護を始めたばかりの方やそのご家族に向けて、不安が強くなりやすい理由と、それをどう乗り越えていくかのヒントをご紹介します。

不安が強くなる理由とは?

1.「人が家に来る」ことへの緊張

これまで自宅に他人を迎える機会が少なかった方にとっては、訪問そのものが大きな出来事です。

  • 部屋をどう見られるか
  • うまく話せるか
  • 体調や気分の波をどう伝えたらいいか

そういった“うまくやらなければ”という気持ちが、無意識のうちに心の負担になってしまうことがあります。

2. 支援が始まる=「病気だと認める」ような気持ちになる

訪問看護の開始は、支援が必要な状態であることの自覚と向き合うタイミングでもあります。
それが時に、「自分は弱いんじゃないか」「迷惑をかけているのでは」という自己否定や葛藤につながってしまうこともあります。

3.「期待」と「現実」のギャップ

  • 「すぐに気持ちが楽になるかも」
  • 「すべてのことを解決してくれるはず」
    という期待がある一方で、実際は少しずつ積み重ねていく支援であるため、「これで本当に良くなるのかな」と不安になる方もいらっしゃいます。

訪問看護では、こんな風に寄り添っています

無理に話さなくても大丈夫です

初回の訪問でうまく話せなくても、何も心配はいりません。
看護師は、“話す準備が整っていないこと”も、その人の大切な状態として受け止めています。

「慣れるまでに時間がかかる」は当然のこと

人間関係も、生活のリズムも、ゆっくり育てていくものです。
毎週少しずつ、「今日はこんな話ができた」「目が合った」「笑顔が見られた」…
そうした小さな変化が、回復への確かな一歩です。

不安や戸惑いも、遠慮なく話してほしい

「こんなことを言っていいのかわからない」「こんなことで困っているなんて…」という気持ちも、どうか隠さずに。
一緒に言葉にすることで、不安は少しずつ整理されていきます

ご家族や支援者の方へのお願い

  • 「早く慣れて」「しっかり話して」などの声かけは、プレッシャーになることがあります
  • 「話したくなったら話せばいいよ」「少しずつでいいよ」といった見守る姿勢が、本人の安心につながります
  • 看護師とも連携しながら、“急がずに進むこと”を肯定する関わりを大切にしましょう

不安があるのは、「新しいことを始めた証」

訪問看護が始まったばかりの時期は、心も体も緊張しやすいものです。
でもそれは、「変わりたい」「自分の生活を大事にしたい」という気持ちがあるからこそ生まれる不安でもあります。

私たちharu styleは、“その人のペース”で進んでいける関わり方を大切にしています。
「うまく話せない」「何を話したらいいかわからない」
――そのままの状態から、どうぞ安心してスタートしてください。

ご相談・ご不安がありましたら、ご連絡ください。
あなたのペースを尊重しながら、訪問看護師がそっと寄り添ってまいります。

働きすぎと心の疲れ

〜頑張りすぎないことも、治療のひとつ〜

年明けの「いつも以上の忙しさ」に、気づいていますか?

お正月が終わると、世の中が一気に動き出します。
仕事が再開し、溜まったメールに追われ、新年の目標やタスクが積み重なり…
「休んだはずなのに疲れが取れない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

それは、身体の疲れだけでなく“心の疲れ”かもしれません。

心の疲れは、こんなサインで現れます

  • 朝起きても、疲れがまったく取れていない
  • 「やる気が出ない」「何をするのも億劫」
  • イライラする、涙が出る、人と話すのがつらい
  • 食欲や睡眠のリズムが乱れてきた
  • 「自分が頑張れていない」と責めてしまう

心の疲れは、見た目には分かりにくいものです。
でも確かに、心と体はつながっており、無理をすればするほどバランスが崩れていきます。

訪問看護ができること:働きすぎに気づく“きっかけ”を届ける

精神科訪問看護では、日々の生活や仕事のペースについても、一緒に振り返り、見直す支援を行っています。

「働きすぎ」の自覚は難しい

まじめで責任感が強い方ほど、自分の限界に気づきにくいものです。
訪問時には、「最近どう過ごしていますか?」という何気ない会話から、
疲れやストレスがたまっていないか、さりげなく確認するようにしています。

生活リズムと休息の整え方を一緒に考える

  • 夜更かしが増えていないか
  • 食事や入浴が乱れていないか
  • 仕事以外に「何もしない時間」が取れているか

一つひとつ丁寧に見直すことで、自分を回復させる余白を取り戻すことができます。

「頑張らない選択」を支える

  • 「休むのが怖い」
  • 「他人に迷惑をかけたくない」
    そうした不安を一緒に言語化し、“休んでも大丈夫”と思える環境づくりをサポートします。

無理のない働き方は、自分を守る治療の一部

現代社会では、「忙しい=頑張っている」「休む=甘え」という風潮が根強くあります。
でも本来、休息は“立ち止まるためのもの”ではなく、“前に進むための時間”です。

心に疲れがたまっていると感じたら、

  • 1日の中に5分だけでも深呼吸できる時間を
  • 無理なスケジュールを断る勇気を
  • 「今日はこれだけできた」と、自分を認める視点を

それらはすべて、自分の心を守るセルフケアであり、立派な治療行為です。

まとめ

年明けの忙しさに追われ、「自分のこころ」を置き去りにしていませんか?

訪問看護は、体のケアだけでなく、心の声を聴き取る支援を日々行っています。
「疲れてるかもしれないな」と思った時こそ、その気持ちを話してみてください。
一人で抱え込まず、一緒に“頑張りすぎない方法”を見つけていきましょう。

ご相談・お問い合わせは、haru style まで。

成人の日と若者のメンタルヘルス

〜言葉にできない不安に寄り添うために〜

成人の日


晴れ着姿や笑顔の写真がSNSにあふれるこの日、多くの若者にとっては人生の節目であり、大きな期待と共に、不安も抱えやすい時期でもあります。

進学、就職、人間関係、将来設計――
社会の一員としての自覚を求められながらも、まだまだ自分自身の軸が定まらない中で、「大人らしくしなければならない」というプレッシャーを感じている方も少なくありません。

今回は、成人を迎える若者たちのメンタルヘルスについて、そして精神科訪問看護としてできる支援についてご紹介します。

成人期に起こりやすいこころの揺らぎ

環境の大きな変化

  • 大学進学や社会人生活のスタートに伴い、生活リズムや人間関係が一変
  • 新しい環境に適応するプレッシャーから、不眠・不安・孤立感などが現れやすくなります

自分自身への過度な期待と不安

  • 「立派な大人にならなければ」
  • 「人並みにできなければ恥ずかしい」
    → こうした思い込みが強まると、自己否定や抑うつ症状に結びつくことも

「大人だから相談できない」気持ち

  • 周囲からは「もう大人なんだからしっかりして」と言われることが増える一方、
     本音を話せる相手がいなくなることで、悩みを一人で抱え込んでしまう傾向もあります

訪問看護ができること:若者への寄り添い支援

私たちharu styleの訪問看護では、若年世代の利用者さまにも対応しています。
特に、“言葉にならない不安”や“居場所のなさ”に焦点をあてた支援を大切にしています。

安心して話せる関係づくり

  • 「頑張っているね」よりも、「今、どんな気持ちですか?」という問いかけ
  • 評価や指導ではなく、“そのままの自分”でいられる空間をつくることが、心の回復の第一歩です

言葉にならない不安を受け止める

  • 「よくわからないけど、もやもやする」
  • 「なんとなく外に出たくない」
    → はっきりとした原因が見えなくても、その感情の存在を肯定する関わりが必要です

日常に根ざしたセルフケアの提案

  • 規則正しい生活リズム
  • 人と比べない行動目標(例:週に1回散歩、昼夜逆転の改善など)
  • 自分のペースでできる“好き”を見つける支援(音楽・絵・読書など)

成人を迎えるすべての方へ

大人になるとは、「すべてができるようになること」ではなく、「迷いながらも自分らしく進むこと」

「できないことがあっても大丈夫」
「不安を感じるのは当たり前」
――そんなふうに思える環境があるだけで、心は少しずつ安定していきます。

訪問看護は、年齢に関係なく、その人の“今”に寄り添う支援を提供しています。
成人の日を迎える若者たちが、自分のペースで一歩を踏み出せるよう、これからも伴走してまいります。

ご相談・お問い合わせはお気軽に

若年層のご本人、ご家族、支援者の皆さまからのご相談も随時受け付けております。
「何から話していいか分からない」
そんな方も、まずは一言だけでも構いません。
一緒に“言葉にできる気持ち”を探していきましょう。

心の健康を守るスタートラインとして、どうかこの1年が穏やかに始まりますように。

新年の目標設定とメンタルケア

〜“小さな目標”が心の安定を支える〜

はじめに

新年を迎えると、「今年こそは頑張りたい」「何かを始めなければ」という気持ちが自然と湧いてくるものです。
しかしその一方で、目標に追われるような焦りやプレッシャーを感じてしまう方も少なくありません。

特に精神的に不安定な時期にある方や、療養生活を送る方にとっては、大きすぎる目標設定が心の負担になることもあります

今回は、そんな時期にこそ大切にしたい「等身大の目標の立て方」と、訪問看護での支援のあり方についてご紹介します。

新年の“目標設定”がメンタルに与える影響

良かれと思って立てた目標が、逆にしんどくなることも…

  • 「ダイエットを始める」「運動を習慣化する」「資格を取る」
    といった前向きな目標が、日を追うごとに重荷になり、自信喪失や自己否定につながるケースもあります。

周囲と比べてしまうストレス

  • SNSや周囲の人の「立派な目標」や「キラキラした新年の過ごし方」と自分を比較して、
     「自分は何もできていない」「また今年もダメだ」と落ち込んでしまうことも…。

訪問看護で大切にしている「小さな目標」の考え方

精神科訪問看護では、その方の生活のリズムや心の状態に合わせて、無理のない、今の自分に合った目標を一緒に考えることを大切にしています。

たとえば、こんな“やさしい目標”があります

  • 朝、決まった時間に起きて顔を洗う
  • 週に1度、外の空気を吸いに出てみる
  • 今日の食事をひとくちでも口にする
  • 布団を自分でたたむ
  • 好きなテレビを10分だけ見る

どれも、社会的に「すごい」と言われるような目標ではありませんが、その方にとっては“大きな一歩”になることが多くあります。

“できた”という実感が、心を支える力に

小さな目標を無理なく達成できた経験は、
「自分にもできた」「前より少し動けた」という自己肯定感につながります

それがやがて、生活リズムの安定や気分の浮き沈みの軽減へとつながり、
自立した生活や回復への力強い土台となるのです。

看護師としての関わり方

私たち訪問看護師は、「できる・できない」ではなく、
「どうやったら、その人のペースで生活が前に進んでいくか」を一緒に考えるパートナーです。

  • 目標が大きすぎた時は、小さく分解してみる
  • 達成できなかったときは、「なぜできなかったか」ではなく「どう感じたか」を共有する
  • できたことはしっかりと認め、次の目標を急がない

そんな関わりを通して、“自分の生活を自分で選んでいく力”を支えていきたいと考えています。

無理のないスタートが、穏やかな1年への第一歩

新しい年のはじまりに、大きな目標を立てることもすてきなことです。
でも、心が少し疲れているときには、「何もしない」「立てない」という選択も、ひとつの自己ケアです。

大切なのは、自分の状態に合わせた、やさしい目標を見つけること。
そしてそれを、一緒に喜んでくれる誰かがいることです。

私たちharu styleは、そんな“ささやかだけど大切な目標”を支える訪問看護を、これからも届けてまいります。

今年も、皆さまの心と生活に、やさしく寄り添える存在でありたいと願っています。
ご不安やご相談がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

静かな元日も、心の回復には必要な時間

~「にぎやかでなくてもいい」年始の過ごし方~

新年、あけましておめでとうございます。
本年も、haru style をどうぞよろしくお願いいたします。

1月1日というと、「初詣」「おせち料理」「親戚との集まり」など、にぎやかで特別な一日というイメージが強くあります。
しかし一方で、そんな空気にうまくなじめなかったり、誰とも会わずに静かに元日を迎えている方も少なくありません

それは決して「さみしいこと」でも、「避けたい状況」でもありません。
むしろ、“静かな時間”こそが心の回復に必要なときもあるのです。

正月に“無理して頑張らない”ことの大切さ

年が変わると、「心機一転しなきゃ」「新しい目標を立てなきゃ」と焦ってしまう気持ちが芽生えることもあります。
でも、気持ちがまだ整っていないのに無理をすると、かえって疲れてしまうことも

  • 年賀状を書けなかった
  • おせちを用意していない
  • 新年の挨拶を誰とも交わさなかった

…そんな状況があっても、大丈夫です。
「特別なことをしない元日」も、心のリズムに合った自然な選択のひとつです。

訪問看護の視点から見た“静かな年始”の価値

精神的に不安定な状態や、日々の生活に精一杯の状況にある方にとって、正月の非日常感はむしろストレスになる場合もあります。

私たちは、

  • 「今日はどんなふうに過ごされていますか?」
  • 「年末年始は、少し静かに過ごしたいですか?」

といった言葉を大切にしながら、その方にとって心地よい“年越し・年明け”のかたちを一緒に考えています。

静かな時間は、心を整える“回復のステップ”

元日を、特別な何かで埋めなくても構いません。

  • 温かい飲み物をゆっくり飲む
  • テレビを消して静かな音楽を聴く
  • 窓の外の空気を感じながらぼーっとする

こうした時間が、こころの緊張を緩め、回復に向かうエネルギーを育む大切なステップになることもあります。

おわりに

「にぎやかじゃないから、寂しい」
「何もしない元日は、もったいない」

そんなふうに思わずに、「今の自分にとってちょうどいい過ごし方」を選んでみませんか?

静かな元日も、それ自体が大切な癒しの時間です。
新しい年のはじまりを、ご自分のペースで、ゆっくり迎えてください。

本年も、皆さまのこころと生活に寄り添うサービスをお届けしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談やご不安がありましたら、ご連絡ください。
haru styleは、変わらぬ安心をお届けできる存在であり続けます。

大晦日の過ごし方に正解はない

〜心を守る年越しのヒント〜

年末の空気に“なんとなく落ち着かない”と感じていませんか?

テレビではカウントダウン特番、SNSでは「今年の振り返り」や「来年の目標」で盛り上がる年末。
特に大晦日は、「家族で過ごす」「笑ってはいけない番組を見る」「年越しそばを食べる」など、“決まった過ごし方”があるように感じられる日でもあります。

しかし中には、

  • 「誰とも話さずに年を越すのがつらい」
  • 「今年も何もできなかった…」
  • 「年が明けるのが怖い」

と、不安や焦り、孤独感を抱えやすい方もいらっしゃいます。

大晦日=“特別な1日”でなくても大丈夫

「この日くらい家族と過ごさないと」
「1年を振り返って前向きにならなきゃ」
そんなプレッシャーを感じているとしたら、少し肩の力を抜いてみませんか?

大晦日は、必ずしも何かを成し遂げる日でなくていいのです。

  • 普段と同じごはんを食べてもいい
  • いつも通りにお風呂に入って、眠くなったら寝てもいい
  • 振り返りも目標も、「やらなくてはいけないもの」ではありません

“何もしない”を選んでも、それがあなたにとっての正解かもしれません。

精神的な負担を感じたら、こんな工夫を

1. テレビやSNSから一度離れてみる

年末のメディアは、にぎやかで、時に気持ちをかき乱す内容も含まれています。
少しだけ静かな時間をつくって、自分のペースを取り戻すことが大切です。

2. 小さな“いつもの習慣”を大切に

・温かいお茶を飲む
・好きな音楽をかける
・お気に入りの照明で部屋を整える
――それだけで、「なんだか落ち着く」感覚が戻ってくることも。

3. 誰かと話せるなら、ほんの少しでも

訪問看護師やご家族、支援者と、日常の一言を交わせるだけでも、孤立感は和らぎます
「今日のごはん何食べましたか?」そんな話でも心はつながります。

訪問看護ができること

大晦日だからといって、特別な支援をする必要はありません。
“いつもと変わらず、そこにいる存在”であることが、最大の安心につながる――
それが、私たち訪問看護が年末年始を支えるうえで大切にしている視点です。

  • 変わらず顔を見せる
  • 少し話をする
  • 体調や服薬、生活の流れを一緒に確認する

それだけで、「年末の不安」を抱える方にとって、“心のよりどころ”となることができます。

まとめ:年越しに「こうあるべき」はいらない

どんなふうに過ごしても、どんな気持ちでいてもいい――
「こうでなければならない」という気持ちを手放すことが、心の健康につながります。

年末に不安や孤独を感じるのは、あなただけではありません。
それを誰かに話せること、受け止めてくれる誰かがいることが、
来年を少し軽やかに迎えるヒントになるかもしれません。

みなさまが、自分にとって心地よい年の瀬を過ごせますように。
haru style は、これからも“心によりそう看護”を届けてまいります。

物価高・生活不安がメンタルに与える影響と在宅支援の役割

~こころを守る生活支援というかたち~

はじめに

最近、「物価が高くて生活が苦しい」「節約ばかりで疲れてしまう」――そんな声を、利用者さまやご家族から聞く機会が増えました。

食品・光熱費・日用品…日々の生活を支えるさまざまなものが値上がりを続ける中で、生活そのものが“心の負担”になっている現実があります。

今回は、物価高や生活不安がメンタルに与える影響、そしてそのような状況のなかで訪問看護ができる支援の役割について考えてみたいと思います。

物価高がこころに与える影響

「我慢の積み重ね」はストレスに

  • 食事内容を減らす・好きなものを控える
  • 外出を控える・エアコン使用を我慢する
  • 買い物時の値段チェックの繰り返し

こうした日々の我慢が重なり、「楽しみがない」「心の余裕がない」と感じる方も多くいらっしゃいます。

将来への不安が気分を沈ませる

  • 「この先もっと厳しくなるのでは」
  • 「生活保護や支援制度を使うことに抵抗がある」
  • 「迷惑をかけたくない」と一人で抱え込んでしまう

経済的な不安は、気分の落ち込みや不安感、孤立感を引き起こす大きな要因となります。

在宅支援としての訪問看護の役割

日常の不安に“耳を傾ける”ことから

訪問看護では、身体や精神状態の観察だけでなく、生活の中で感じる悩みや困りごとについても丁寧に耳を傾けています。

「こんなこと言っても仕方ないと思っていたけど、話せて少し楽になった」と感じていただけるような、安心して気持ちを出せる場を提供することが、私たちの大切な役割の一つです。

必要な制度や支援につなぐ“きっかけ”に

  • 自治体の助成制度(例:福祉用具・生活支援・医療費控除など)
  • 社会福祉協議会の貸付制度
  • ケアマネジャー・ケースワーカーとの連携

ご本人が「知らない」「相談しにくい」と感じる支援制度についても、訪問時の会話から気づき、必要に応じて情報提供や関係機関との橋渡しを行います。

小さな選択肢を“生活の再構築”へつなげる

  • 節電しながらも快適に過ごせる環境の工夫
  • 無理のない献立や買い物方法の相談
  • ストレスを和らげるセルフケアや気分転換の提案

訪問看護師は医療職ではありますが、「暮らし」に寄り添い、「心の持ち方」に働きかける存在でもあります。

支援者・ご家族にできること

  • 「がんばってるね」「一緒に考えてみようか」と、評価や指導ではなく共感の言葉を意識する
  • 「これ使ってる?」ではなく「こういう制度もあるみたいだよ」と、提案として伝える
  • 本人が言葉にしづらい経済的な不安を、否定せずに受け止める姿勢が大切です

まとめ

物価高や生活不安は、目に見える問題だけでなく、心に静かに影響を及ぼす“社会的ストレス”です。

在宅で療養される方にとっては、なおさら小さな変化が大きな影響につながりやすいため、医療・介護の枠を超えた“寄り添い”が求められています

haru styleでは、ただ病状を見守るのではなく、「生活そのものを守る支援者」としての視点を持ち、利用者さまの安心と尊厳を支えるお手伝いを今後も続けてまいります。

ご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に“今できること”を探していきましょう。

冬の孤立感と訪問看護

~つながりが心をあたためる~

はじめに

冬の訪れとともに、気温が下がり、日照時間も短くなってきます。
この季節、多くの方が外出を控えるようになり、人との交流が自然と減ってしまう時期でもあります。特にひとり暮らしの方や、日常的な社会参加の機会が限られている方にとっては、“孤立感”が強まるリスクが高まります。

このブログでは、冬に起こりやすい孤立感の背景と、それに対する訪問看護の役割についてお伝えします。

冬に感じやすい「孤立感」とは?

外出機会の減少

寒さや路面の凍結、体調面の不安などから、外へ出る機会が減りがちになります。

対話・交流の減少

デイサービスや通院、地域の集まりなどが減ると、人と話す機会そのものが減少します。

“誰にも会わない日”が続くと…

会話やちょっとしたやり取りがない日が続くことで、「自分は社会から離れてしまっている」と感じ、気分の落ち込みや不安感、無気力といった症状が現れることもあります。

訪問看護ができること:孤立感に寄り添う支援

訪問看護は、寒い季節でも利用者さまのもとへ足を運び、「変わらない関わり」と「安心感」を提供する存在です。

定期的な訪問が“つながり”になる

  • 決まった曜日・時間に訪れることで、生活にリズムが生まれます
  • 「今日は誰かが来てくれる」という安心感が、気分を安定させるきっかけに

会話の内容は“特別”でなくていい

  • ニュースの話、今日の天気、最近の食事のことなど、ささいな話題でも「話せた」という経験が心を支えます
  • 無理に励ますのではなく、その人のペースに寄り添った対話が大切です

“ここにいていい”と感じられる関係性

  • 寒さや孤独で不安が強まったとき、「何を話しても大丈夫」と思える存在がそばにいることで、自尊感情や安心感を保つことができます

ご家族や地域の方にもできること

  • 声をかけるタイミングを意識する(週末・夕方など孤独を感じやすい時間帯)
  • 年賀状や一言メッセージなど、“思い出しているよ”と伝える手段を活用する
  • 「何かあったら言ってね」ではなく、「最近どう?」と具体的に問いかけることが関係のきっかけに

まとめ

冬の孤立感は、誰にでも起こりうる“こころの揺らぎ”です。
特別な支援が必要なわけではなく、「自分はひとりではない」と思える時間をつくることが、何よりの予防になります。

訪問看護は、日常の延長線上にある安心の存在として、利用者さまにとっての“つながり”を育む役割を担っています。
これからも、一人ひとりのこころに寄り添うケアを大切にしてまいります。

ご相談・ご質問がございましたら、訪問看護ステーション haru style までお気軽にご連絡ください。
この冬も、皆さまの暮らしとこころに、あたたかさを届けられますように。